Okamoto Ladies' Clinic

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NEWS
(2021年新着情報)

TOPICS
(2021年各種案内)

妊娠ご希望の方へ(2021年11月)

インフルエンザ予防接種(2021年10月)

問診票(2021年9月)

子宮頸がん検診(2021年8月)

妊娠前期検査と後期検査に血液生化学検査を追加(2021年7月)

妊産婦の方の新型コロナウイルスワクチン接種について(2021年6月)

インファントウォーマー(2021年5月)

新型コロナワクチン集団接種出務日の外来予約について(2021年5月)

モニター付き顕微鏡、生体情報モニターの導入(2021年4月)

ウイルス・細菌・ニオイ・湿度対策(2021年3月)

吸引娩出器(2021年2月)

本年もよろしくお願い申し上げます(2021年1月)

お値打ちランチ part.1 「熊魚庵」と「ラ・ボンバンス祇園」(2021年10月)

東京藝術大学(2021年9月)

何必館(2021年8月)

夏を楽しむ(2021年7月)

不倫について(2021年6月)

第73回日本産科婦人科学会学術講演会(2021年5月)

『異邦人』から『ペスト』へ(2021年4月)

誰にでも平等に不平等はやってくる(2021年3月)

C'est la vie !(2021年2月)

新春雑感(2021年1月)





NEWS
(2021年新着情報)

妊娠ご希望の方へ(2021年11月)

火曜日の外来に、小野レディースクリニック理事長の小野吉行先生と院長の江見信之先生に来ていただいています。
小野先生は京都大学医学部卒、江見先生は信州大学医学部卒で、京都大学医学部附属病院と、それぞれ神戸市立中央市民病院(現神戸市立医療センター中央市民病院)、倉敷中央病院でエースとして活躍された産婦人科のジェネラリストであり、不妊治療のスペシャリストです。

小野レディースクリニックとの連携により、妊娠される方も次第に増えてきています。

 

インフルエンザ予防接種(2021年10月)

本年も10月からインフルエンザワクチンの接種が始まっています。

13歳以上の方は通常1回接種で3,400円、13歳未満の方は1回2,550円で2回接種となります。

妊娠中、授乳中の方も安全性と有効性が確認されていますので、積極的に受けられることをお勧めします。

 

 

 

問診票(2021年9月)

当院を初めて、あるいは久しぶりに受診された方に問診票を書いていただいています。

診療の際に重要な情報になりますので、ご協力よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

子宮頸がん検診(2021年8月)

本年も5月から12月までの間、福知山市の子宮頸がん検診が行なわれます。
昨年度から2年に1回となり、20歳以上で奇数年齢の女性が対象で、費用は700円です。
(70歳以上の方は無料です。)
ご希望の方は、予約されるか、直接当院にお越し下さい。

子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診)、子宮体がん検診(子宮内膜細胞診)は、ご希望があれば、いつでも施行可能です。

 

 

妊娠前期検査と後期検査に血液生化学検査を追加(2021年7月)

妊娠前期検査と後期検査に血液生化学検査を追加しています。

血糖値以外にも、肝機能、腎機能、脂質、電解質などに異常がないかを確認します。(分娩後の異常値に対するコントロールになります。)

 

 

妊産婦の方の新型コロナウイルスワクチン接種について(2021年6月)

6月17日に、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会が合同で、“接種希望の妊産婦の方は新型コロナウイルスワクチンを受けることができる”という見解を出しました。

新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて

当院でもこの見解に沿った説明をしております。

 

 

 

 

インファントウォーマー(2021年5月)

生まれたばかりの赤ちゃんの保温や処置に用いるシンプルタイプのインファントウォーマーを導入いたしました。

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナワクチン集団接種出務日の外来予約について(2021年5月)

5月から福知山市の新型コロナワクチンの集団接種が始まります。
当院医師が集団接種に出務する日の外来予約は午前11時までとします。また、予約外の診療も一部制限させていただく場合があります。

ご理解、ご了承お願い申し上げます。

 

 

モニター付き顕微鏡、生体情報モニターの導入(2021年4月)

病理組織や細胞、膣分泌物、精子の状態などを、画面で実際に見ていただけるように、 モニター付き顕微鏡を診察室に設置しました。

また、手術や分娩の際に使用する生体情報モニターを新たに1台導入いたしました。

それぞれ、日常診療に役立てたいと思います。

 

 

 

 

ウイルス・細菌・ニオイ・湿度対策(2021年3月)

昨今の状況を鑑み、ウイルス・細菌・ニオイ・湿度対策として、当院も各スポットに次亜塩素酸空間除菌脱臭機を、各部屋に加湿空気清浄機を備えました。

引き続いて、診療施設の消毒、各種感染予防対策を徹底いたします。

 

 

 

吸引娩出器(2021年2月)

新しい吸引娩出器を導入しました。

新生児の口腔、鼻腔の吸引や吸引娩出術、開腹手術時などに使用します。(従来使用器具もバックアップとして残します。)

 

 

 

本年もよろしくお願い申し上げます(2021年1月)

例年と異なり、特殊な環境下で迎える新年です。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

 

 



TOPICS
(2021年各種案内)

お値打ちランチ part.1 「熊魚庵」と「ラ・ボンバンス祇園」(2021年10月)

 「熊魚庵」は岡崎の自宅から歩いて行ける場所にありますが、風致地区の規制があるために看板が出せず、最初伺った時は通り過ぎてしまいました。狭い道を通って搬入するのが大変だったという一枚板のカウンター席からは美しい小さな苔庭が臨めます。お値打ちのランチはさすがに決して高価な素材を使っているわけではありませんが、料理人の確かな技術を堪能できます。妻は“むしろ、この材料でこんなに美味しくできるのが凄い”と申しておりました。リーズナブルなコースもあり、高価な献立もあります。なんと言っても、和食の中心「だし(出汁)」が抜群に旨いです。

 

 

 四条通に面した西楼門ではなく、本殿の正面に向かった南楼門が八坂神社の正門であり、神事の行列や神輿も南門を通る、と聞きます。そこからすぐのところに、「ラ・ボンバンス祇園」はあります。そのホームページにもあるように、“東京の日本料理店が京都に進出するのは異例なこと”のようですが、ここの料理は「新日本料理」を謳い、イノベーティブ・フュージョンの範疇に入ると思われます。お値打ちランチは、松茸、フォアグラ、トリュフなどの素材も使われ、これまで経験がない味付け、アレンジを体験でき、お得感は半端ないです。

 皆様も、お気に召しましたら、両店へ行ってみてください。

 

 

東京藝術大学(2021年9月)

 私たちが学生の頃、白川通りに昭和52年創立の京都芸術短期大学があり、芸短(げいたん)と呼ばれていた。平成3年に4年制の京都芸術造形大学が開学し、平成12年に芸短と統合された。大学院長にニューアカデミズムの旗手としてかつては脚光を浴びた浅田彰が就任、画家の千住博や京大総長だった尾池和夫が学長、秋元康や小山薫堂が副学長になり、アカデミズムとミーハーイズムをうまく利用して成長を遂げ、令和2年には京都芸術大学に名前を変えた。改称の際の京都市立芸術大学との訴訟は和解し、京都芸術大学という名前は認め、京都芸大、京芸という略称は用いないという、少々滑稽な顛末を迎えた。

 令和4年に大阪府立大学と大阪市立大学が合併し大阪公立大学になる際の英語表記をUniversity of Osakaとすると当初発表されると大阪大学からクレームがあり、結局Osaka Metropolitan Universityに落ち着いた。静岡、島根、高知、長崎はそれぞれ国立大学が・・・ University、県立大学が University of ・・・であり、訴訟に持ち込まれれば阪大が負けたかも知れない。

 さて、東京藝術大学は数ある日本の大学の中で、私が最も尊敬する大学である。“一般的な男子がどう転んでも入れそうにない大学は、こことお茶の水(旧東京女子高等師範学校)や奈良(旧奈良女子高等師範学校)などの女子大である”と、かつて東京藝大の絵画科油画専攻を目指していたが、結局整形外科医になった義兄に言ったところ、“性同一障害で実は精神は女性なんですー、と言えば女子大には入れるかも”と返された。クラシカルな芸術家の輩出は言うに及ばず、藝大出身の有名な芸能人やクリエイターは数多いる。特別な色をつけてはいけない業種(例えば、藝大卒業生であるNHKアナウンサーの林田理沙さんは、聞かれれば絶対音感の保持について言及したりするが、民放の女子アナと異なり、敢えて独自性を出さないようにしていると思われる)を除き、強烈な個性を持つ人が多い。

 京大理学部のガイダンスでは、“この学部では、だいたい三分の一の確率で、学生が行方不明になります”とかつて説明されたが、「最後の秘境 東京藝大」によると、“アーティストとしてやっていけるのは、ほんの一握り、いやひとつまみ”であり、“卒業後、半分くらいは行方不明”。 “何年かに一人、天才が出ればいい。他の人はその礎。ここはそういう大学なんです”と学長からは言われ、“技術は習うことができるが、それを使って何をするかは自分で見つけるしかない、芸術は教えられるものではない”とある意味突き放される。元々芸術の素養が一般人よりはるかに秀でた人が藝大に入学し、自分よりもっと凄い人たちの存在を見て愕然とし、それでも芸術家を職業とすることを目指すには、自ら考え、辿り着いた独自の個性を持たざるを得ない。それでも、天才が必ずその才能を活かして成就するとは限らないし、逆に藝大で評価されなかった人が大成功をおさめることもあるらしい。学問、スポーツ、ビジネス、政治、宗教、これはどの世界でもあることだろう。だから、人生は面白いし、世の中は一筋縄では行かないとも言える。

 

 

何必館(2021年8月)

 何必館コレクション「村上華岳・山口薫・北大路魯山人展」を観に、四条通にある何必館・京都現代美術館へ行きました。京都の中心地にある、センスの良い小さな美術館で、楽しく拝見しました。最近、読み始めて面白くない本は途中で止めるべき、第一印象で自分が良いとは思えない美術作品はいかに高名でも敢えて理解する必要はない、と思います。しかしながら、折角縁あって触れた作品のバックグラウンドくらいは知っておいても良い、とも考えています。

 そこで、何必館・京都現代美術館の館長である梶川芳友さんの「何必館拾遺」を購入しました。そこには、ジャコモ・マンズーの「枢機卿」、富本憲吉の「白磁壺」、松本竣介の「寺院」、速水御舟の「春宵」、加藤唐九郎の「紫志野茶碗」、良寛の書「君看雙眼色 不語似無憂」、小林古径の「俑」、入江波光の「南欧トルレデルグレコ」、山口薫の「おぼろ月に輪舞する子供達」、北大路魯山人の「つばき鉢」、村上華岳の「太子樹下禅那」、パウル・クレーの「舵手」について書かれています。それぞれの作品に対する愛情が溢れた、卓越した美しい文章です。

 芸術に対する眼識の高い人(或いは自分でそう思っている人)は多く傲慢、不遜、非常識なものですが、梶川芳友さんの記述はとても品があり、芸術に対して実直であり、感心しました。誰かが書かれていましたが、論理や知解ではとどかぬ細部に触れることにより、“その作品の美に惚れ込む”態度は素晴らしいと思いました。

 

 

夏を楽しむ(2021年7月)

 シャルルの庭でもあるベランダのパラソルの張り替えをしていただきました。木槿、白玉椿、山法師、サフィニアは元気です。先代のシャルル1世は同じアイリッシュセターの雄でしたが、メチャやんちゃで、プランターがあろうものなら即座にこかしていました。また、犬舎のドアを閉め切っても、脚で蹴っ飛ばして開ける賢さがありました。今のシャルル2世は中性的で、とても温和な性格で、植物とも共存できます。(今までうちにいてくれたどの犬もみんな大好きです。)
「モダンリビング」や「Casa BRUTUS」などでは最近アウトドアリビング、ガーデンファニチャーの特集が多く、MinottiやTalentiなどイタリア製の屋外用ソファやテーブルが紹介されています。Cassinaにはあの名作LC3のアウトドアソファもあります。素敵だな、とは思います。

 

 酒に酔って不必要に眠ってしまうのは時間の無駄、と思うので、最近は炭酸水やトニックウォーター単品をよく飲みます。ちょっと、アルコールが欲しい時はジントニックかカンパリソーダで、時たまシングルモルトのストレートが飲みたくなります。
現在、ウイスキーは需要に供給が追いつかず、製造コストの高騰もあり、定価よりも高い金額で売買されているようです。サントリーやニッカなどのジャパニーズ・ウイスキーやマッカランなどのスコッチ・ウイスキーも随分高くなっています。そういえば、ロレックス・デイトナの流通価格も凄いことになっています。私はロレックス=時計界のメルセデスベンツと思っていますが、特に興味があるブランドではありません。でも、百貨店の外商の方に“いつでもキャンセルOK”と言われて、何年か前から一応デイトナのウエイティングリストに載っています。おそらく、生きている間には順番が回ってこないでしょう。

 Apple Musicには「Summer」のプレイリストがあり、毎夏聞いています。「時間よ止まれ」、「少年時代」、「The Theme From Big Wave」、「Surfin' U.S.A. 」、「BANG! BANG! バカンス! 」などが入っています。

 

不倫について(2021年6月)

 現代の日本では、有名人が不倫などしようものなら、大バッシングを受けます。芸能人やスポーツ選手、政治家など、それまで積み上げてきた実績が不倫により一気に崩壊する場合があります。不倫の発見や報告は、週刊文春、週刊新潮などの週刊誌の重要な、そしておいしいお仕事の一つです。

 そもそも「不倫」の定義とは何でしょう。インターネット辞書には、“倫理に悖る、特に、配偶者以外と肉体関係をもつこと。”とあります。
診察室にある新明解国語辞典(1997年第五版第一刷)には、 “1)男女が、越えてはいけない一線を越えて関係を持つこと。2)あるべき順序と違うこと。”とあります。有名な「恋愛」の項は、“特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。”と攻めています。因みに、第三版では「肉体的な一体感」を「合体」と表現していましたし、第八版では性的少数者に配慮して、対象者を「異性」と書くのをやめたようです。
自宅の長男の部屋にある広辞苑(2008年第六版第一刷)には、“人倫にはずれること。人道にそむくこと。特に、男女の関係について言う。”とあります。
父の書斎の日本国語大辞典第17巻(1975年第一版第一刷)には、“人の道にそむくこと。不道徳であること。また、そのさま。”とあり、もともとは不倫という言葉はより広義で使われてきたのでしょうが、現在ではほぼ人倫に外れる男女の関係のことを指します。

 フランスでは、不倫に寛容とよく聞きます。法的な結婚をしなくても、税制上でほぼ同等の法的優遇が受けられる事実婚制度PACSがありますし、結婚観も日本とは異なります。不倫という概念はなく、既婚者の恋愛(、或いは既婚者との恋愛)と考えられているのかも知れません。歴代大統領も、既婚者を好きになったり、ダブル不倫の相手と結婚するもその二人目の妻はさらに別の男性と駆け落ちしてしまったり、愛人(との家庭)の存在をマスコミに指摘されても“et alors”と答えたりしています。それが純粋な恋愛であれば、不倫が非難されず、むしろ賞賛される場合もあります。実際のところ、男性でも女性でも、その人がきちんと自分の仕事をしていれば、その私生活には興味ない、と私は思います。

 久保田利伸の名作「Missing」は、お互いに愛し合っているけれども結ばれることが困難な、“ときめくだけの恋は何度もあるけれど、こんなに切ないのはきっと初めてなのさ”、と思ってしまう恋愛を歌っています。そう、好きになってしまったら、しかたないです。

 しかしながら、人間には妄想という強力な武器があります。好きな人ができても、その恋愛が人倫に悖ると判断されれば、脳内でのみ胸をドキドキさせてもいいでしょう。つらくても、それが大人というものです。妄想の世界では、MLBの大谷翔平選手のようなスーパースターにもなれるし、世界の平和と人々の幸福を追求する理想的な政治家にもなれるし、オードリー・ヘプバーンとローマの休日を過ごすこともできます。

 

 

第73回日本産科婦人科学会学術講演会(2021年5月)

 新型コロナウイルスによる禍において、数少ないメリットのひとつが学会や講演会のWEB開催です。現地に赴いてもそれが都会ならば、他の誘惑に負けて早々に会場を後にすることがありますが、インターネットであればきちんと話を聞くことができます。

 第73回日本産科婦人科学会学術講演会が榎本隆之会長(新潟大学産科婦人科教授)のもとで開催されました。WEBではゴールデンウィーク期間も視聴可能で、田舎の勉強不足の開業医は大いに満喫しました。

 榎本先生は会長講演で、米国国立癌研究所(NCI)での婦人科癌におけるKRASなどの活性型癌遺伝子の研究や、帰国後の大阪大学や新潟大学での臨床及び基礎研究の発展により、“当初は小さなウィンドウからその一部がやっと覗けていたものが、実は素晴らしいアートだった”と表現されました。“結果が出なくて苦しんだ時期もあった”とも言われていましたので、そんな時代があっての現在なのだな、と思いました。現在、“婦人科がん化学療法に関する多施設共同研究事業を通じて、最適ながん化学療法について研究し、 がん治療の進歩に寄与することを主な目的として設立された全国組織”である婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)の理事長としても御活躍されています。

 榎本先生の後に当院に来ていただいていた、産業医科大学の吉野潔教授は、「卵巣癌治療の最前線〜最善の治療選択を目指して」についてお話しされ、私が勤務医の頃の治療方法と比べて、随分進んでいることに気付かされました。現在でも、婦人科医にとっては難しい、卵巣癌の患者さんにとってはとても苦しい治療です。少しずつでもその予後や患者さんの生活の質が向上するように、これからも先生たちは努力されることでしょう。

 京大名誉教授の福島雅典先生(名古屋大学医学部卒)については、その存在は知っていましたが、話をきちんと聞くのは初めてでした。1)メルクマニュアルの翻訳、2)PSK(クレスチン)や OK-432(ピシバニール)を用いた癌治療に対する言及により、日本の医薬品行政に対する衝撃的な意見をNature誌へ発表、3)治療実施施設により癌の予後に差があることの報告、4)米国の癌臨床試験グループであるSouthwest Oncology Groupとの共同研究など、そのバイタリティには感服致しました。京大の退官記念講演会「臨床科学:その原理と実践 ─科学と人と法─」はインターネットで閲覧、ダウンロードできます。“臨床研究、臨床試験は基礎研究の延長ではなく、科学のパラダイムを異にしている。研究者の科学的探究心によって自由に行えるものではない。ヘルシンキ宣言によって示される規範と各国の法律と制度に基づいて行われるものであり、常に人々の福祉、患者さんの予後向上と疾病の制圧を目的としている。”お話の中には、若干大風呂敷と思わせる部分もありましたが、まさに正論です。

 日本医学会会長の門田守人大阪大学名誉教授の話も伺いました。日本医学会会長は初代から六代まで全て東京大学(東京帝国大学)卒かつ東大教授でしたので、初めての東大以外の会長です。高久史麿先生がまだ会長と思っていましたし、GHQの指示で日本医学会が日本医師会の学術組織になったと初めて知りました。(無知でした。)定款では日本医学会は日本医師会の中に置かれていますが、今後は車の両輪として、前者が後者の部分集合ではなく対等の集合で、共通部分を持つ関係になる意向が示されました。

 榎本先生の同級生で、阪大医学部を首席で卒業されたという大津欣也先生の講演「若者よ、世界を目指せ:ロンドンからのメッセージ」はとても楽しかったです。大津先生は本年の4月1日に国立循環器病研究センターの理事長に就任されました。ホームページの「理事長からのご挨拶」では、“大学付属病院での初期研修の後、米国衛生研究所、トロント大学、ニース大学で研鑽を積み帰国しました。その後、大阪大学循環器内科で臨床、教育、研究に携わり、2012年に、英国キングスカレッジロンドン循環器内科教授に就任いたしました。ロンドンでは、イギリスやヨーロッパの医療向上に努力するとともに、日英の懸け橋として研究や人材交流の推進にも取り組みました。同時に、9年間、海外から日本の現状をみて、大変な危機感を持ちました。この度、当センターの理事長に任命され、責任の重さと、憧れの国循で日本の循環器医療の発展に貢献できる喜びを感じております。”と述べておられます。素晴らしい経歴を持っておられ、日産婦での招請講演は明るく、ユーモアたっぷりでした。一方、“苦しいことも多かった。”という本音や、“次は阪大教授かな、と思っていたら、なれなかった。”という事情も語られ、こんなに優秀な医師でも苦労や挫折もあるのだな、と感じました。むしろ、阪大教授にならなかったからこそ英国での御活躍があり、「憧れの国循」理事長にまでなられたわけです。

 専攻医教育プログラムは、5パートともスライドをダウンロードしました。第73回日本産科婦人科学会学術講演会にWEB参加して、大変勉強になりました。榎本先生はじめ諸先生方、どうもありがとうございました。

 

 

『異邦人』から『ペスト』へ(2021年4月)

 中学生の頃、クラスメートに国語の教科書ガイドを見せてもらい、“すごい、全部書いてある”と興奮したことを覚えています。“常識的な授業や定期考査をする有体な国語教師ならイチコロやな”と思いましたが、中高時代の私は“学校や教師に反抗的な方がカッコイイ、通常とは異なる解釈でイケ”と思うバカな生徒だったので、意地でも教科書ガイドは使えませんでした。

 昨年からのコロナ禍で、74年前に刊行されたアルベール・カミュの『ペスト』は世界的なベストセラーになっており、私も遅ればせながら再読しました。その後、カミュの最初の小説である『異邦人』とサルトルがその「正確な注釈」であり「哲学的翻訳」とした『シーシュポスの神話』を何十年か振りに読み、次に中条省平氏の『アルベール・カミュ ペスト 果てしなき不条理との闘い』を手に取りました。(順番が逆でなくて良かった。)中条氏著書はカミュを知る手引きとして、“良くできた教科書ガイドみたいな本だ”と思いました。

 キリスト教では「=創造主」が多き「人間」に救いを与えるためにただ一人の子供である「イエス・キリスト」をこの世に送りました。魂や霊という本質が人間の肉体に先行しています。 一方、ピタゴラス学派やエレア派からソクラテス、プラトン、アリストテレスへと繋がる古代ギリシア哲学からデカルトらの近代哲学に至る理性主義があります。

 「実存は本質に先立つ」“L'existence précède l'essence”(サルトル)という“実存主義は、キリスト教的世界観と理性中心主義的な世界観の両方を否定する革命である。”と中条氏は述べており、当時は衝撃的かつ熱狂的に迎えられたのでしょう。(やがて、構造主義の祖クロード・レヴィ=ストロースに批判されるのですが。)
 “カミュの哲学的著作『反抗的人間』は友人であったサルトルとの間に「革命か反抗か」という論争を生み、カミュはサルトルから絶交を宣言されます。サルトルとカミュは、世界が不条理であり悲惨であるという現実をまず直視するという点で同一の地平から出発していましたが、サルトルがその先に革命を含む政治的手段によるより良き未来の社会建設という歴史的必然を信じたのに対し、カミュはそうした理念が不可避的にもたらす暴力の悲惨さから目をそらすことができなかった。”と述べているのは、『異邦人』と『ペスト』を読んだ読者なら誰でも理解できます。

 “『異邦人』のムルソーの場合のように、母親が死んだって悲しまなくていいじゃないか、太陽のせいで人を殺してもいいじゃないか、と世界の不条理性に気づいた人間が、人間も不条理であって構わないのではないか、とその不条理をみずから実践してしまうことがある。これがおそらく、人間が不条理に対応するときの第一段階である。”
 “そんな不条理の第一段階のあとに、そういう自己を客観視して、世界の不条理に気づいた人間の不条理性にさらに気づいてしまった人間が、ではその不条理をどう乗りこえることができるのか、と考える方向が生まれてくる。これが『ペスト』以降の第二段階である。そこでは世界の不条理と人間の不条理を分けて考え、不条理を二重に意識した人間の生き方や行動の仕方を探究するという姿勢が打ち出される。”

 私にとっては冗長と感じられる部分もあった『ペスト』です。(あっという間に読める『異邦人』と比べて、『ペスト』はページを捲るスピードが遅い。)村上春樹の『一人称単数』、森見登美彦の『四畳半タイムマシンブルース』、原田マハの『デトロイト美術館の奇跡』、江口聡編・監訳の『妊娠中絶の生命倫理 哲学者たちは何を議論したか』などと並行して再読破すると、ようやく“時代が変わっても、その時代ごとにふさわしい読み方を許容する幅の広さが、優れた文学作品の条件だと思う。”と『ペスト』を評価する中条省平氏に共感できました。

 

 

誰にでも平等に不平等はやってくる(2021年3月)

 京大的アホがなぜ必要か(2020年12月)で述べた、森毅先生の“誰にでも平等に不平等はやってくる”は金言です。

 例えば現在、新型コロナウイルス感染症対策で行政が行っている支援策が不平等だ、と感じる方が多数おられます。原資は国民の税金ですので、特定業種だけ恩恵を受けたり、特定の人だけ得をしたり、確かに不公平感はあります。しかしながら、納税自体がみなに公平なわけでもないし、国民全員に平等に支援策を行うのはまず不可能です。(決して、与党の新型コロナウイルス感染症対策を容認しているわけではなく、今年中には衆議院議員選挙もありますし、むしろ厳しくお灸を据えるべきとは思います。しかしながら、対案をきちんと出せる、政権を任すことができる野党が存在しないのは、日本国にとって実に不幸なことです。)

 そもそも、現実の世の中は、不平等かつ不公平です。お金持ちの家に生まれるかどうか、生まれつき容姿が端麗かどうか、地頭がよいかどうか、運動神経が発達しているかどうか、など先天的なことは自分ではどうしようもありません。自分の努力により、資産家になったり、オシャレでカッコよくなったり、戦略的頭脳を持ったり、優秀なアスリートになったりする人は世の中にたくさんおられます。人は他人と自分を比較してしまうので、きっと優れている部分も多々あるのに、自分が劣っている部分に関して、不平等だと嘆きがちです。(他人のことが気にならない少数の人たちもいますが。)

 もともと奴隷だったというストア派の哲学者エピクテトスは言っています。“自分に欠けているものを嘆くのではなく、自分の手元にあるもので大いに楽しむものこそ賢者である。”、“自分の意見、願望、欲望は自身がコントロールできる範囲にあるが、容姿やどんな家に生まれるか、他人にどう思われるかは、コントロールできる範囲の外にある事柄だ。”、そして、“幸福への道はただ一つしかない。それは、意志の力でどうにもならない物事は悩んだりしないことである。”古代ギリシアの頃から、人間の本質は変わっていません。

 

C'est la vie !(2021年2月)

 “恥の多い生涯を送ってきました。”は太宰治の「人間失格」の第一の手記の始まりの有名な文章である。人生を振り返って赤面するような言動や失敗は誰にでもあるだろう。子供の頃や若い時分の粗相は若気の至りと笑い飛ばせるが、いい大人になってからも結構恥ずべき思い出がある。残念ながら、タイムトラベルして、しくじりの書き直しはできない。それも含めて、“C'est la vie”。時として、“Quelle journée”。

 

 

 

新春雑感(2021年1月)

 ここ最近は百貨店の和洋中巨匠のおせちか北新地の割烹のおせちが多かったですが、今年はイタリアンおせちにしました。そして、今春のお酒は新潟の「真野鶴」と「〆張鶴」です。いよいよ、今年の4月に第73回日本産科婦人科学会学術講演会が新潟で挙行されます。榎本隆之教授が会長の重責を担われ、従来のスタイルとWEBのHybrid形式の開催が予定されています。ご成功をお祈り致します。

 

 

 昨年の元日には思いもしなかった状況に世界が苦しんでいます。なんの落ち度も無いのに苦境に喘いでいる方々がいます。思いきって事業を中断して、捲土重来を図る方法もあります。事態の改善にはもう少し時間がかかるでしょうが、なんとか耐えていけますように。

 ふるさと納税(寄付)を昨年12月に初めて行いました。本来は自分の出身地や応援したい自治体に対して見返りなしで行うのが良いと思いますが、現実問題として利用者の多くは(私も)返礼品目当てです。住んでいる自治体からの流出はその75%が地方交付税として補填されるようですが、不交付団体では100%損失になります。一方、自分の家の経済的見地からはやらないと損です。税理士さんにお伺いして、限度額の45%くらいふるさと納税をしてみました。本年するかどうかは、考えてみます。

 



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