当院における人工妊娠中絶手術について説明します。
1)手術当日の準備と注意事項
1.手術当日は朝から絶食で、来院してください。
2.持参していただく物
同意書(本人と配偶者または妊娠の相手の署名と捺印が必要)、費用、生理ショーツ、夜用ナプキン2、3枚、スカート
3.来院されたら外来受付に同意書と費用をお渡しください。(手術後、お薬を渡す時に精算いたします。)
4.シャワーは手術当日から、入浴は出血が無くなってからにしてください。
2)手術当日の流れ
1.本人の確認、同意書の確認、術前検査の確認
2.内診、超音波断層検査後、手術終了まで呼吸循環状態のモニタリングを施行
3.静脈麻酔
4.子宮頸管(子宮の入口)の開大処置と子宮内の妊娠内容物を手動真空吸引法(MVA)で取り除く手術
(手術に要する時間はおよそ3分から10分です。)
5.術後の超音波断層検査チェック
6.子宮内容物の確認
7.麻酔が覚めるまで、安静を保つ。
3)手術に伴う直接障害
1.子宮頸管裂傷
初めての妊娠やお産の経験がない方は頸管が硬いために手術で頸管が傷つくことがあります。
あらかじめ手術前日にラミナリアによる子宮頸管開大処置をする場合があります。
2.多量出血・子宮収縮不良・子宮内容遺残・感染
細心の注意をして手術を行っても、子宮収縮不良のために出血が増えること、少量の子宮内容や血液が子宮内に残ることがあります。また、手術後に出血が持続すること、下腹部痛・発熱などの症状がでることがあります。
3.妊娠継続
多胎、子宮の形態異常、子宮内外同時妊娠などのために、極めてまれに、手術後も妊娠が継続する場合があります。
手術後は必ず指定された日に診察を受けてください。
4)手術に伴う後遺障害
手術と手術直後に異常がなくてもまれにその後の後遺症(月経異常・子宮外妊娠・不妊症・習慣流産・次回分娩時の障害など)が残ることがあります。この手術は決して安易に行う手術ではありませんので慎重に考えてください。
5)入院を要する緊急事態の可能性について
子宮がもろいために傷がついたり、子宮の収縮が不良で出血が多いなどの手術中の緊急事態が発生した場合、最良の方法で対処します。また、子宮内容の検査の結果により、手術後に追加の治療が必要な異常妊娠の場合もあります。このような場合、できるだけ早くご本人と配偶者(パートナー)に連絡しますので、必ず同意書に記入してください。
6)手術後の診察
手術1週間後に必ず受診してください。
1週間以内でも多量出血、強い下腹部痛、発熱がある場合は必ず当院を受診してください。
手術後2週間たっても、出血、下腹部痛が続く場合、術後1ヶ月半以上経過しても次回月経が来ない場合は必ず当院を受診してください。
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