(2012年各種案内)
クリスマス(2012年12月)
まだ子供たちが福知山にいる頃、12月24日の夜になると自宅のマントルピースには必ず、森永製菓のムーンライトが添えられた紅茶が2杯置かれました。1杯はサンタクロースのため、もう1杯はトナカイのためで、トナカイの分を用意しないとプレゼントが後回しになります。また、クッキーはムーンライトでないといけません。傍らには、クリスマスプレゼントに何が欲しいかを子供たちがしたためたサンタクロース宛の手紙が置かれます。
12月25日の朝になると、紅茶は飲まれ、ムーンライトは食べられ、欲しかったプレゼントが置かれています。サンタさんからのプレゼントが届いているかドキドキして起きてきた子供たちは大喜びです。めでたし、めでたし。
世界中には恵まれない子供たちがいっぱいいます。私は死ぬほど悪い自分の性格を反省して、子供たちのための国連の補助機関にささやかな寄付をします。
My Favorite Magazines(2012年11月)
中3の長女が読む雑誌は「ピチレモン」から「Seventeen」そして「ViVi」等の赤文字雑誌へと移り変わっていきます。診療所の待合室には、小学館のカジュアル系「AneCan」、コンサバ系「Oggi」、そしてずっと上の世代が対象の「婦人画報」か「家庭画報」、「HERS」が並びます。光文社で言うと「VERY」や「STORY」の世代の雑誌もかつてはあった記憶がありますが、現在はおそらく意図的に妻が抜いています。昔懐かしい「miss家庭画報→MISS」、「CLASSY.」は路線変更をしましたが、「25ans」はお嬢様系、ゴージャス系を存続しており、ハースト婦人画報社の面目躍如であります。
サウサンプトンFCの吉田麻也選手と同様に、私も大学生の頃は「JJ」や「CanCam」等を面白く読んでいたものですが、最近は女性誌には全く興味が涌きません。或る月の女性誌3誌にブルーのインターメカニカ(ポルシェ356のレプリカ)が登場しているのを見つけてちょっと嬉しかったり、綺麗なグレイハウンドやボルゾイの写真に目を留めたりするくらいです。
車の雑誌は「CAR GRAPHIC」、「NAVI」、「LE
VOLANT」、「GENROQ」などを以前は読んでいましたが、今は「ENGINE」のみ購読しており、後は立ち読みです。ネットでマニアックなサイトを閲覧している方がよっぽど楽しいです。
男性誌は(ここ半年間は)2012年5月号からリニューアルされた「POPEYE」と「Free &
Easy」を購読しています。「POPEYE」のターゲットは20代ですが、昔を懐かしむのと、長男の近い将来のライフスタイルを妄想して読んでいます。20代の男の子が、エルメス、グッチ、ヴィトンの洋服を買ったり、ジョン・ロブ、オールデンの靴を日常的に履いたりするとはとても思えませんが、そういうブランドも知りつつ、手頃なブランドでコーディネートするのは良いかと思われます。私の高校生、大学生時代の「POPEYE」はアメリカ西海岸一辺倒でしたが、それはそれで、現在は現在で、なかなか興味深い雑誌です。
「Free & Easy」はラギッドなアメトラ系雑誌です。まず、編集長のDear Readersを読んで、今月もいきってるな、と笑います。高校生の頃、「MEN'S CLUB」のIVY
League特集を揃えていました。定番商品やアウトドアやMTBやオフロード四駆車に興味があります。したがって、「Free & Easy」のテイストの55%くらいは私に合います。IVY
Leagueといえば、「ゴシップガール」のセリーナにはブラウン大学へ、ブレアとダンにはイェール大学へ進学してほしかったですが、マンハッタンを舞台にするためにコロンビア大学やニューヨーク大学が選択されたのでしょう。
インターネットの普及もあり、雑誌や情報誌の部数は減少の一途をたどっています。かつて自分が愛読していた雑誌が休刊になるのはとても寂しいものですが、それも時代の流れでしょうね。
高校生クイズ優勝(2012年10月)
8月31日に日本テレビ系列で放送された第32回全国高等学校クイズ選手権で、姉の次男がチームの一員として出場した開成高校が見事に三連覇を達成しました。実はまだ録画を観ていないのですが、8月18日に福知山の「鳥名子」で鴨すきを食べている時に本人から聞きました。結果については、放送日までテレビ局より箝口令が敷かれ、親にも言ってはいけなかったらしいのですが、姉は“迎えにいった時に、優勝者がもらえるパネルなどを持っていたのでバレバレだった。”と語っておりました。妻が“京都代表はどこだったの?”と聞くと、“洛南。準々決勝で当たって5-0で完封してやった。”とのこと。(甥じゃなかったら“どついたろか”と思うやろけど、まあ許す。)
うつ病の回復期に、甲府の姉宅の室内プールでまだ小学生の彼と毎日一緒に泳いでいました。高校生クイズの決勝で当たった千葉県立船橋高校とは共に合宿をする仲だそうで、“彼等は高校入学時からクイ研の活動を始めて、全国大会の決勝まで残るのだから凄い。僕は他の2人の付き添いみたいなものだから。”と謙遜しておりました。しかしながら君も、山梨大学附属中学から本当はお兄ちゃんと同じ様に甲府南高校の理数科へ行きたかったのに、開成に受かってしまい進学することになり最初はふてくされていたけど、高校からクイ研を始めていい結果が得られたからよかったやんか。
車の中で、グールドの「ゴルトベルク変奏曲」(81年録音の方)が流れている時、“このカナダの天才ピアニストが最後まで愛読していた日本の小説は何?”と聞くと、「草枕」と当然の様に答えました。もうこれからは、おじさんが色々教えてもらわなあかんのやな。
しあわせpart.2(育ち)(2012年9月)
NHKの「ニュースウォッチ9」で、「ヘルタースケルター」主演の沢尻エリカ様とともに大越健介氏のインタビューを受けていた蜷川実花監督が、“自分が幸せと感じるかどうかが大切”と語った部分には共感しました。(番組中の“いい女は男目線を意識しない”という流れについては、どうかな、と思うけど。)幸せと感じる閾値を自ら下げても良いし、幸せと感じる機会を増やしても良いし、“自分は幸せ”と感じられなければ人生損だと思います。
“上品な不良”とか“育ちの良い下品”とかいうアンビバレントな表現には昔から憧れがありますが、私は、育ちは良くないし、人付き合いがアブノーマルなくらい下手なので、とてもその境地には立てません。でも、これは私の両親の育て方のせいではなく、本人の問題です。何故ならば、同じ保護者に育てられた私の姉は比較的上品ですし、妹は概ね社交的だからです。
この夏、幸せそうで、活き活きしていると感じられる二家族のことを知りました。亡くなられたお母様のルーツを辿るために関東から兵庫県北部を中心とする関西に来られた家族と、御主人がオリンピック選手である妻の友達の家族です。どちらの子供達もとても礼儀正しく、その育ちの良さは、華美ではないけれどもとてもきちんとした服装や髪型、きれいな食事の食べ方、挨拶のしかたを見ればすぐわかります。うちの子供達も私も爪の垢を煎じて飲むべきです。
「左京区恋月橋渡ル」(2012年8月)
学士会から「學士會会報」と「U7」が発行物として届けられます。後者に7大学書籍ランキングとして、生協書籍部の売り上げの文庫・新書BEST5と一般書BEST5が載っています。いつもなかなか興味深く、最新号では文庫・新書BEST5は各大学とも「1Q84」、ウィリアム・ハーディー・マクニールの「世界史」、沖方丁の「天地明察」などが、一般書では「舟を編む」、結城浩の「数学ガール
ガロア理論」などが上位を占めています。本好きを装いながら、実はたいして書物に親しんでいないことがバレバレな私でも、村上春樹と三浦しをんのベストセラーくらいは読んでいます。
北大、東北大、名大、九大などのランキングには一般性と地域性の両方が感じられます。東大生協本郷書籍部のランキングでは、「内定とれない東大生 「新」学歴社会の就活ぶっちゃけ話」、「東大卒でスミマセン
「学歴ありすぎコンプレックス」という病」、「ブックガイド 東大教師が新入生にすすめる本」、「現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」、「THE UNIVERSITY OF TOKYO by
AERA」と10冊のうち5冊の題名に東大が入っていて、“どんだけ東大が好きやねん。”と言いたくなります。しかしながら、京大生協BOOKセンタールネのランキングにも、文庫で「左京区七夕通東入ル」と「四畳半神話大系」、一般書で「左京区恋月橋渡ル」が入っており、ネット上で“京大出身者って、なんぼほど京大での学生生活が好きなん???”と言われても甘受するしかありません。
4月28日にジュンク堂京都店で買った「左京区恋月橋渡ル」は“LOVE KYOTO !
瀧羽麻子”と書かれたサイン本でした。おっさん、ちょっと気恥ずかしい。「左京区七夕通東入ル」の続編ですが、読んでいてドキドキする度合いは増しています。帯によると、きゅん²度91.7%↑です。途中で、理系男子の山根君が恋した美月さんが姫である意味が推測されたり、初恋の結末がほぼ読めたり、小笠原氏が入学した京都市内の中高一貫男子校(仏教系でない)が関西で三本の指に入る難関進学校と言う描写は“昔の話やな(笑)。”と突っ込めたり、小説としての完成度は高くないですが、山根君がとても可愛らしくて応援したくなるし、美月さんはほんに魅力的なお嬢様だし、爽やかで切なくなる作品です。年配者は学生時代に人を好きになった頃を思い出して、現在進行形で恋をしている若者は登場人物に感情移入して楽しめます。青春やなあ。
ANA vs. JAL(2012年7月)
私の妻は同志社の法科を卒業後にANA(全日空)の国際線CA(キャビンアテンダント)になりました。(キャビンアテンダントは和製英語で、Flight
AttendantとかCabin
Crewというべきでしょうが、当時はスッチーとも呼ばれていました。)まさにバブルの時代に就職し、さっさと辞めて結婚しましたので、まずまずおいしい思いをしたのではないでしょうか。当時はJAL(日本航空)がFlag
Carrierとして君臨しており、ANAは国際線に進出してからまだ日が浅かった時代です。ヨーロッパはロンドン便のみでした。ワシントン便は飛行機の都合により現地4泊でパーディアムが付き、フリー行動の観光パックのようだったと妻は回想しております。
現在は、給与の面でも、勤務時間の面でも,ステイ先のホテルや通勤の交通手段でも、以前の様に優雅ではないのでしょう。医師の地位同様にCAの立場もまた安泰ではありません。
7月4日の朝刊に“全日空、2100億円増資”という見出しがありました。ANAとJALの比較表を見ると、今や売上高、路線数、飛行機の保有台数ともANAの方が上なのですね。しかし、2010年1月に会社更生法の適用で経営破綻したJALは金融機関の債権放棄や法人税の免除で身軽になり、年度末の純利益は1866億円とANAの6.6倍に達し、この利益で国際線の路線を増やす方針であります。そこで、ANAは新世代の中型機ボーイング787を買ったり、M&Aを行ったりして、先んじて国際線強化を行うとのことであります。
公的資金を受けたJALが好業績をあげていることに、ANAは“公正公平な競争を。”と反発し、JALは“ルールに則って進めている。”と反論しています。妻は言うまでもなくANAの味方で、“ルールが異なる競争などあり得ない。”と憤っています。
年に1回(主に東京で)開催されるANAの同期会に妻はいそいそと出かけます。今年も“アメリカから仲良しの同期が二人参加してくれた。”ととても喜んでいました。ところで、妻には東京へ行った時に可能であれば必ず会う友人がいます。学生時代からの知り合いである(アテンダントも地上勤務も教官も経験した)JALの社員で、芯が強い大和撫子です。きっと一時期とても辛い環境下にいた(いる?)にも拘らず、とても立派に職責を果たされているようであります。ANAとJALの友達との会話の中で当然話題になった最新鋭旅客機ボーイング787のエンジンはRR(ロールスロイス)製とGE(ジェネラル・エレクトリック)製の2種類から選べ、「ローンチカスタマー」であるANAはRRエンジンを選択し、JALはGEエンジンを採用しています。この辺にもライバル意識が垣間見られます。共倒れしない様に、どちらも頑張ってください。
「頭脳王」と知的財産の創出(2012年6月)
些か旧聞に属しますが、昨年12月30日に日本テレビ系で放映された「日本No.1の頭脳王!大決定戦!」についてであります。決勝は東大医学部の亀谷君(ラサールクイ研出身)と京大医学部の廣海君(灘クイ研出身)の医学部対決で、前者が優勝するというプロデューサーの思惑通りの結果、というか演出でありました。演出というのは、出題問題をちょっと弄れば、数学オリンピック金メダルの関君(灘→東大理学部)でも東大法学部主席卒業の弁護士山口さん(筑波大附属)でも優勝させることが可能であるからです。京大経済学部の隅田君は東海、東大文1の塩越君は有名な旭川東のクイ研出身であり、全国高等学校クイズ選手権のスタッフとクイズ研究会(部)出身者による番組だったのは間違いありません。姉の次男が全国二連覇している開成のクイズ研究部にいますが、例えば全国高等学校クイズ選手権などは明確な「傾向と対策」があるので、ある程度有名なクイ研に属していないと上位には行けないようです。実際のところ県代表になっても、ノウハウがない学校は全国大会の1回戦で30問中殆ど正解できないのが実情です。
結局、この番組の出場者は皆秀才でありますが,言うまでもなく天才ではないのです。でも、大秀才である彼等が異端の天才に化ける可能性はあると思います。天賦の才と血がにじむ努力の両方が全く欠如しているので、私のような凡人が天才になる確率は0%でありますが。
阿部博之氏の「知的財産の創出とそのための課題考」は僅か3ページのペーパーですが、知的財産を産み出す少数の異端的天才と所謂秀才の違いについて考えるのに良い参考になります。阿部氏が引用するところの日本が誇る学者達の言葉は、そのまま日本の「学歴社会」や「エリート」や「頭脳王」に対する辛辣な批判になります。
1)福沢諭吉先生はすでに明治初年、“古来、文明の進歩は少数者の異端妄説から生まれるのではないか。”と「文明論之概略」の中で述べている。
2)石坂公成先生(免疫学者)は次のように述べている。“私が日本に帰って感じたことは、日本人の考え方が35年前とは変わってしまったことだった。学生たちは自分が将来何をするかよりも、有名な学校に入ることや安泰を第一としているし、エリートたちは名をあげることやほめてもらえることを目的として生きているように見える。”
3)丸山真男先生は、“「秀才バカ」というのは情報最大、叡智最小の人で、クイズには最も向いているかもしれないが、複雑な事態に対する判断は最低です。”と述べている。
4)森嶋道夫先生(経済学者)は、“日本が必要としているのは記憶力に優れた知識量の多い、いわゆる博学の人ではなく、自分で問題を作り、それを解きほぐすための論理を考え出す能力を持った人である。”と述べている。
天才的と感じられるのは、何も学問の世界だけではありません。ものまねシンガーが本意かどうかは別にして、荒牧陽子の歌唱力は驚異的です。UEFA EURO
2012のスナイデル(オランダ/インテル)のスルーパスも凄過ぎです。(3連敗したけど。)
My Slow Aging part.1 (AGA)(2012年5月)
加齢に逆らう“Anti-Aging”とか“Never Grow Old”とかではなく、自然に歳を重ねながら容貌と健康を維持していく“Slow Aging”と言う表現が流行りのようです。
昔から男性の老化は“ハメマラ”といいますが、これにハゲとデブを加えるべきでしょう。つまり、歯、眼、魔羅(ペニス)の衰えと禿頭、肥満の五つが代表的な男性の老化現象です。全部思い当たります。私の場合は、魔羅の機能低下はむしろ好都合で問題ありません。(草食系男子だったし(笑)。)眼も若い頃から近眼で、(失明さえしなかったら)眼鏡で調整すれば良いと考えています。
そこで、私の“Slow
Aging”のターゲットは、歯、ハゲ、デブになります。歯は生まれつき脆弱かつ不摂生で、かなり悲惨な状態であります。現在、歯科医の先生にお世話になっておりますが、少しお金をかけてみましょう。デブの解消には酒と食事の摂取量の減少と運動が必要でありますが、意志薄弱でなかなか困難です。しかしながら、何故かしら、今後少しはスリムになれるという根拠なき展望を持っています。
次に、AGA(Androgenetic
Alopecia)即ちハゲについてです。日本皮膚科学会が「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)」を出す前から、フィナステリドとミノキシジルが有用であり、他の治療については効果のエビデンスが乏しいのは周知の事実でありました。
個人的な感想を述べますと、最初は良性前立腺肥大の治療薬として開発された抗男性ホルモン薬のフィナステリドは明らかに効果があります。服用を始めて暫くすると、まず抜け毛が減ります。そして、毛髪数も若干増えます。しかし、ここで注意すべき点があり、MSD株式会社のホームページでプロペシアの効果の経年評価を見ると、内服開始後1年でピークを迎え、その後徐々に毛髪量は減少するのです。フィナステリドも年齢的な変化には勝てないということです。それでも、プラセボ群と比べると有意に効果があるのは間違いありません。
ミノキシジルに関しては、頭皮に塗布するタイプより、内服が効果的だと思います。元々、高血圧に対する血管拡張剤として使用されていましたので、副作用に注意が必要です。女性にも効果がありますが、内服の場合は腕や脚その他の部分のむだ毛も濃くなるので、塗布薬の方がお勧めかも知れません。なお、ミノキシジルタブレットは日本では認可されておらず、私が他の人に処方することはできません。
結局、老化現象としての脱毛を完全に止めることは不可能ですが、進行を遅らせることはできます。御希望があれば、諸兄もフィナステリドとミノキシジルを使われても良いかと思います。
“豪放磊落かつ純真な同級生”との再会 in 鶴橋(2012年4月)
先日、長女が所属する中高の管弦楽部の定期演奏会を京都で聴いてから、JRで大阪鶴橋へ向かいました。大阪の基幹病院の内科部長が幹事で、皆の希望もあり病院の近くの「鶴橋の焼肉」をいただきながら、ミニ同窓会が開催されました。生まれて初めて鶴橋駅に降り立って構内で焼肉の臭いを嗅いだのですが、噂通りで感激しました。
この会の幹事こそ、田舎育ちの私に大学入学後初めてのカルチャーショックを与えてくれた男であります。彼は、良く言えば豪放磊落、悪く言えば野放図、その実とても純真な男でありました。思想信条は中央よりやや左であり、いつも確固たる信念と意見を偉ぶらず述べます。学生時代、勉強はサボるときと頑張るときの差が激しく、追試を受けることもあれば、ドイツ語のテストの際などに私たちを落第の淵から助け出してくれることもありました。私生活は色々な意味で豪快でありました。ノンポリでオポチュニズムな私とは、思想もライフスタイルもかけ離れているのですが、妙に馬が合いました。今回、大学を卒業後の医師としての仕事ぶり、そして私生活を聞かしてもらいましたが、特に後者は予想以上で捧腹絶倒しました。偶然にも岡本産婦人科で出生されたという新しい奥様や御家族と幸せそうで、私も良い気分になりました。また、会える日を楽しみにしております。
しあわせ(2012年3月)
“しあわせって何だっけ何だっけ、ポン酢しょうゆのあるうちさ”と明石家さんまがCMで歌ったのはバブル景気が始まった1986年のことです。この時にさんまは既にバブル経済の繁栄と崩壊を予見し、経済的な豊かさなどはかないもので、(家族や友だちと一緒に、或いは一人が好きな人は一人で、)自分の領域をささやかに守ることが人間の幸せなんだよ、って言いたかったのかも知れません。
佐伯啓思は「反・幸福論」の第一章で述べています。邪悪なものから自らを守るべきもののはずだった「私的世界」が「利益」と「権利」を実現する場所に変容してしまい、「ささやかな幸せ」は「利益」と「権利」に変容することでいくらでも膨らませることができるようになった。「実現すべき膨張する幸せ」となると、「幸せ」はいまここにはなく、永遠に手に入らない。現代人は「幸福」を手に入れようとあくせく動き回るだけで、いつまでたっても不幸のどん底にいる。「利益」と「権利」を無限に膨張させ続けるしかなく、ますます「幸福」から遠ざかってしまう。結局、現代社会の二大価値観である「利益」の発想(功利主義)と「権利」の発想(リベラリズム)だけでは人は「幸福」にはなりえない。
“いつかはクラウン”はトヨタの秀逸なキャッチコピーですが、クラウンに乗ったらレクサスLSが欲しくなり、次はベントレーが気になるかも知れません。私にもその傾向が認められますが、他人に誇示するために商品を手に入れる人は、確実にヒエラルキーに縛られます。それがエルメスのケリーやバーキンならもっと高価な素材のものが欲しくなったり、いっぱいの種類が欲しくなったりするものです。車好きの場合は、それが旧車であっても痛車であっても、私的世界の単なる自己満足であることを認識する方が精神衛生上良いです。超高級な牛肉は確かに美味しいかもしれないけど、安くてもとてもうまい豚肉や鶏肉があります。
そういえば、現在は私立大学の産婦人科教授であるかつての研究室のボスが、“岡本君、生活をエクスパンドさせない方がいいよ。”と語っていたのを思い出します。
雪はお好きですか?(2012年2月)
いつもお世話になっている川端二条の橋本タイヤ(コーポレーション)で、妻の車のスタッドレスタイヤを選択する際に、“最近福知山はそんなに雪が積もらないので、ピレリのハイウェイスタッドッレスでも良いかな、安いし。”と言いながら、結局ブリザックのREVO
GZにしたのは正解でした。明らかにこの冬は雪が多く、新雪やシャーベット状雪路もアイスバーンも時々走らねばなりません。うちでは、雪が積もるとRUBICONの出番です。PROCOMPのホイールは夏タイヤのSOLID
RACINGよりgood-lookingです。福知山市内で物足りない時には、雲原や京丹後に出かけます。(地域の方々に御迷惑をかけないようにします。)
その冬最初の雪や銀世界は確かにロマンティックであります。犬は雪が大好きなので、シャルルと積雪を楽しみます。(アイルランドは緯度の割に冬は寒くないとのことですが。)でも雪害もありますし、美しい銀世界はやがてどろどろによごれてしまいます。だから、私は雪が好きだし嫌いです。美しく降り積もって、一気に融けたら良いのですが。
お酒part.3(新春)(2012年1月)
今年のお正月はとてもハッピーでした。何故ならば、年末、榎本先生に「得月」、「大吟醸 八海山」、「麒麟山
ブルーボトル」という貴重なお酒をいただいたからです。先生は新潟大学へ手術の指導に行かれることもあり、新潟のお店からお酒をゲットする特別なルートをお持ちのようです。これらのお酒に妻が手に入れた泡盛の「海底酒
琉宮の邦」が加わり、まさに笑顔がはじけます。
おせちはこれまた、榎本先生御推薦の「石和川のおせち」です。去年の11月にお店に伺った際に妻が注文しました。年末に届いたときは、京都の料亭のおせちに比べてみかけがやや地味かなと思いました。でも、食べてみるとひとつひとつがとても美味しくて、今まで食べたおせちの中で一番でした。そう言うと、すかさず、“あなたはまず文句を言ってから、いつも意見を替える。”と指摘されます。
お正月のように贅沢はできないので、いつもは妻が作る高価なものではないけれども美味しい食事と、安くても旨い酒を楽しんでいるのは、言うまでもありません。
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